第12話

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拓「…大丈夫?」 心配そうな顔で手を差し出した。 芽衣「う、うん…」 恥ずかしさと久しぶりに聞いた優しい声に手が震える。 ゆっくりと手を出すと突然体がふわっと持ち上がった。 芽衣「きゃっ」 啓太「…お前本当ドジ。帰るぞ。」 芽衣「ちょっ、大丈夫。歩けるって。」 啓太「今すぐ黙らないと落とすよ。」 お姫様だっこをされてる芽衣は啓太の脅しに大人しくなった。 拓「…っ…」 啓太の行動に出していた手をぎゅっと握りしめる。 啓太「香織、悪いけどこいつ連れて帰るから。」 香織「分かった。またね、芽衣。」 啓太は芽衣をだっこしたまま店を出た。 由妃「…うそ…でしょ…」 誰にも聞こえないくらいの声で呟き、ショックと沸いてきた怒りで手が震えてきた。 …なんなの? 啓太があんな事するなんて… 芽衣ちゃんは私より大事な存在なの? 啓太も拓も芽衣、芽衣って… もう私の事なんて全然目に入ってないんだ。 なんで私より芽衣ちゃんなの? …ムカつく!
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