第12話

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拓「…何考えてんの?ここまでわざわざ来て。」 由妃「…別に。ただみんなと話してみたいなって。芽衣ちゃんと話してみたいなって思ってた。…けど…。」 拓「…けど…何?」 由妃「なんでもない。それよりみんなの所行こう。…このままじゃ本当に芽衣ちゃんが京太にとられちゃうよ。」 拓の耳元で囁き、腕を掴み引っ張って行った。 怜「…まっ、ここじゃ言いづらい事もあるだろうからあとでね、芽衣。」 芽衣「……。」 拓と由妃が来た頃には話はだいたい終わっていた。 というより怜が話かけ、それに京太が返事をしていた…とずっとそんな調子だった。 浩輝「とりあえず何か飲む?芽衣ちゃんたちはいつものでいいよな。あとは…。」 京太「コーヒーお願いします。」 由妃「私拓と同じもので。」 …拓と同じもので… 目の前に拓と由妃さんが並んでるのを見るのは辛い… 突然由妃さんが来て、心の準備なんか出来てないのに。 暗い表情を見せた芽衣に、怜と啓太が気付き由妃の顔を見た。 由妃はそんな事も知らず、芽衣に話しかける。 由妃「具合悪いの?芽衣ちゃん。」 芽衣「…えっ、いや大丈夫です。全然元気です。」 笑顔でそう答えたが、その笑顔はかなりひきつっていた。 由妃「良かった。ちょっと元気ないように見えたから。そういえばこの前恵美にあって…」 由妃は拓と啓太、彰に中学時代の友人の話をし始めた。 芽衣と怜には全く分からない話で、芽衣はただひきつった笑顔で、怜はだんだんと眉間にしわが寄っていた。 きっと芽衣が暗い表情を見せたのはこの女のせい。 わざとらしく拓の横にいて話したりしてすごくムカつく。 わざと芽衣に見せつけてるみたい。 拓と啓太は私のものだって。 怜の女の勘は鋭かった。 ちょうどこの時、香織と智久が来たのだ。
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