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拓「…何考えてんの?ここまでわざわざ来て。」
由妃「…別に。ただみんなと話してみたいなって。芽衣ちゃんと話してみたいなって思ってた。…けど…。」
拓「…けど…何?」
由妃「なんでもない。それよりみんなの所行こう。…このままじゃ本当に芽衣ちゃんが京太にとられちゃうよ。」
拓の耳元で囁き、腕を掴み引っ張って行った。
怜「…まっ、ここじゃ言いづらい事もあるだろうからあとでね、芽衣。」
芽衣「……。」
拓と由妃が来た頃には話はだいたい終わっていた。
というより怜が話かけ、それに京太が返事をしていた…とずっとそんな調子だった。
浩輝「とりあえず何か飲む?芽衣ちゃんたちはいつものでいいよな。あとは…。」
京太「コーヒーお願いします。」
由妃「私拓と同じもので。」
…拓と同じもので…
目の前に拓と由妃さんが並んでるのを見るのは辛い…
突然由妃さんが来て、心の準備なんか出来てないのに。
暗い表情を見せた芽衣に、怜と啓太が気付き由妃の顔を見た。
由妃はそんな事も知らず、芽衣に話しかける。
由妃「具合悪いの?芽衣ちゃん。」
芽衣「…えっ、いや大丈夫です。全然元気です。」
笑顔でそう答えたが、その笑顔はかなりひきつっていた。
由妃「良かった。ちょっと元気ないように見えたから。そういえばこの前恵美にあって…」
由妃は拓と啓太、彰に中学時代の友人の話をし始めた。
芽衣と怜には全く分からない話で、芽衣はただひきつった笑顔で、怜はだんだんと眉間にしわが寄っていた。
きっと芽衣が暗い表情を見せたのはこの女のせい。
わざとらしく拓の横にいて話したりしてすごくムカつく。
わざと芽衣に見せつけてるみたい。
拓と啓太は私のものだって。
怜の女の勘は鋭かった。
ちょうどこの時、香織と智久が来たのだ。
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