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まだ初夏とはいえ、6月の午後は真夏に近い暑さだ。
駅へ続く商店街を抜けた頃には、汗が額を流れる。
駅前のロータリーにバス待ちの人はおらず、すごそこのコンビニにもお客さんの姿はなかった。
改札にはまだ「フィリップさん」はいない。
私は券売機の近くに立って、電光掲示板を見上げた。
(……次の電車かな)
汗を拭きつつ、視線を改札奥の階段へと移す。
その時、真上でガタンガタンと電車が通り過ぎる音がした。
それからしばらくして、階段を下りてくる乗客の中に、一際目を引く外国人を見つけた。
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