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(えっ、まさかあの人?)
私は思わず彼を凝視した。
ブロンドの髪に碧い目の彼は、スタイル抜群、まさに見た目完璧といった容姿だ。
男女問わず、行きかう人が彼を横目に通り過ぎていく。
シンプルな服がこの上なく似合う彼は、今なんの変哲もない改札を抜けようとしていた。
(いやいや、まさかそんなはずはないよね)
旅行者だと一目でわかるキャリーバックを持っているにも関わらず、私は彼に近付くのを躊躇う。
だってあんなイケメンに声をかけるなんて、かなりの勇気が必要だ。
(ど、どうしよう)
腕時計に目を落とす彼を見て、私も時計を見やる。
針は待ち合わせの3時から、少し先を指していた。
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