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『……こんにちは。
あなたが……レイ・フィリップさんですか?』
おそるおそる英語で声をかければ、彼は一瞬驚いたような顔をした。
『あなたは?』
『ホストのノダといいます。
フィリップさんを迎えに来ました』
ノダというのは、民泊をしている伯母のけい子さんの名前だ。
そこで彼はふっと表情を緩める。
『あぁ、ノダさん。 ありがとう』
柔らかく微笑まれ、不意をつかれた胸が思いっきり高鳴った。
(やばい……)
金髪碧眼のキラースマイルは、威力抜群だ。
気を抜くと、好きな人がいる私の胸すら打ち抜かれそうになる。
『じ、じゃあ行きましょうか。こっちです』
私は火照った頬を隠すように、急いでロータリーの端を歩き出した。
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