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あたしと駒田さんとの会話に、
突如入って来られた常務の方を向くと
保坂常務もあたしの顔を凝視している。
「あの青山さんのお孫さんなんですか?」
あたしの顔を見ながら
駒田さんに確認を取るように尋ねると
「そうだよ。美亜君だったかな?」
あたしの名刺をもう一度確認しているから
「はい、美亜です」
「キミはお祖父さんと目の色がそっくりだな」
懐かしい友達を思い出しているのか
あたしの目をじっと見つめて
あたしから祖父の面影を見ているようだ。
あたしが眼鏡を離さないでいた理由の一つに
目の色が茶色だっていう事もあった。
これで小さい頃に嫌な目にも合ってたわけで
それが嫌で眼鏡を離せないでいた。
「そうですか・・・・・青山さんの・・・・・」
「ミア!・・・・・どういう事?」
麻衣香が小声で聞いて来たけど
あたしにもわからないから首を横に振ると
「キミは、お祖父さんの仕事が何をしていたのか知らないのかい?」
保坂常務に聞かれたので
「祖父は、あたしが小学校の低学年のときに亡くなったので
あまり記憶はないのですが
たしか設計士をしていたような・・・・・」
祖父母の家に預けられるとき
祖父は、いつも自分の部屋で大きな定規を持って仕事をしていた。
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