課長の彼女

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あたしの事を、いつも遊びに来ている存在として扱ってくださり 自然と、あたしも寛いでいられるようになった。 「今夜はご飯食べてってくれるんでしょう?」 課長にではなく、あたしに聞いて来られるので 「ご迷惑でなければ、戴いて行ってもいいですか?」 そうお答えさせていただくと 「もちろんですよぉ! 今夜はね、我が家はすき焼きだって決まってるの」 そのお母さんの話の後を続けて 「我が家は元旦がすき焼きで、二日が手巻きずしで 三日が焼肉が定番なの」 なんと、正月三が日のメニューが決まっているらしい。 「あはは!普通のお宅では考えられないでしょう?」 お父さんがあたしの顔を見て笑って話してくる。 「わたしが、普通の家で育ってなかったものでわからないですが でも、家族皆さんが揃う日にメニューが決まっているのも 作る方からしたら助かりますね」 今夜どうしよう?と悩むよりかは 定番メニューを作ってしまった方が気が楽だし。 「そうなのよ!食べる食べないは自由にしておいて もし食べないと言っても、作る量を減らせばいいだけですからね。 それに、この子たちって結構お友達を連れて来る時があったから その時は量を増やしたりしてね」 話が通じたと感じられたお母さんは、嬉しそうにその後もお喋りを続けてくださった。
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