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「あ!申し訳ありません。
そちらはつい最近まで使用していたモノでした。
こちらは今の名刺でございます」
新しい名刺を差し出して
古い方を受け取ろうと手を伸ばすのに
なぜか駒田さんはそれを渡してくれない。
それどころか、名刺とあたしを交互に見ている。
「昔、僕の知り合いにも青山さんと言う優秀な秘書さんがいたね」
懐かしがるように話された言葉に
「優秀かどうかは小脇に置かせていただいて
もしかして、青山美夏ではないですか?」
思い切ってママの名前を告げてみた。
「やはり、キミは美夏ちゃんの娘さんか?」
破顔した顔でそれを聞いてくる駒田さんに
「はい。青山美夏はわたしの母親です。
今は父に引き取られて尾崎美亜と申します」
とても懐かしさを感じて笑顔で答えた。
「では、青山慎一郎さんのお孫さんだね?」
「祖父をご存じなのですか?」
驚くあたしの言葉にかぶさるように
「なんですって!」保坂常務が叫んだ。
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