秘書・麻衣香の活躍

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「僕はね、慎一郎さんに弟子入りさせてもらってた時期があるんだよ」 あたしを通してお祖父ちゃんを見ているような駒田さん。 懐かしむような優しい目をしている。 「そうだったんですね」 「美亜ちゃんのお祖父さんは、その世界では有名だったんですか?」 上場さんが保坂常務に訊ねると 「キミたちは渋谷にあるRと言う商業施設や プロ野球のSチームのドーム球場は行った事があるかい?」 保坂常務があたし達3人に質問するように聞くと 「あります!あそこのビールの売り子のお姉ちゃんの作ってくれる泡は美味しいんですよね!」 麻衣香の見当違いな返答は無視なのか 「あの二つだけじゃないけど、一番有名どころはその二つの設計を美亜君のお祖父さんがされたんだよ」 微笑んで教えてくれる駒田さん。 「そうだったんですか? あたしは全然知らずに過ごしておりました」 設計の仕事をしていたんだろうと言うのは 大きく育った今は想像がついていたけど 有名な人だとは知らなかった。 「この世界で青山さんの名前を知らない人はいないんだよ」 祖父の事を崇拝して下さっている様子が伝わって来た。
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