オネダリー6『Re;venge』

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もう帰ることはないと思っていた場所に戻り、交代でシャワーを浴びたら時刻は午前4時を過ぎていた。 いろいろありすぎて疲れているはずなのに眠くないのが不思議。 川崎がバスルームから出てくると、ソファでアイスコーヒーを飲んでいた私の隣に座った。 「……コーヒー、いる?」 「お前の一口ちょうだい。」 「足りる?」 「ん。」 「仕事、大丈夫かな?眠いでしょ?」 「心配するな。…でも、さすがに寝ないとヤバいな。湿布貼って眠るぞ。」 腫れた私の頬に湿布を施す川崎の手の震えはもうない。 それだけでどんなに安心しただろう。 「…よし、これでいい。」 「ありがとう。」 「…おいで香子。」 「…え?」 「いっぱい文句聞くから。」 手を引かれ、川崎の部屋へと導かれる。 黒で統一されたシンプルな部屋。 布団を捲ると、背中を押して入るように促す。 素直に横になれば、軽く頭を撫でられ笑顔を向けた。 蒸し暑い外。 エアコンのきいた快適な部屋。 ライトが落ち暗くなった部屋で、川崎が私の隣に横になった気配がする。 私の方へ身体ごと向くと、優しく頭を持ち上げてその下に自分の腕を差し込んだ。 「……香子……」 髪を顔から払い、輪郭に沿って指が滑る。 そして、頬を包まれ、顔を撫でる。 …この雰囲気、よく覚えている。 大室寛人と行動を共にしていた私が川崎に見付かり、その夜過ごした甘い時間。
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