旅立ち

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旅立ち

会社の方で航空券のアレンジはしてくれた。 翌週の木曜日の深夜、正確には金曜日になってすぐの早朝に「羽田空港」を出発する。 何を隠そうアメリカ本土に行くのは20代半ばでシアトルに長期出張以来だから、ほぼ三十年ぶり。 WEBで念入りに出国手続き、アメリカでの入国手続きの方法を確認して自宅を出る。 新逗子駅より羽田空港へは直通列車があるので有り難い。 蒲田駅でスイッチバックして空港線に乗り入れる。 何度も国際線ターミナルと国内線ターミナルの降り順を確認する。 降りてみると羽田空港の国際線ターミナルは新しいビルになっており戸惑う。 気を落ち着かせる為にチェックインを済ませた後はビールを飲みながらリラックスしようと努めた。 日が改まり搭乗案内が流れてきた。 (すっかり酔っぱらってしまった。何杯飲んだんだろう?) 少し高揚した気分で機内の人になった。 機が羽田を離陸する頃にはすっかりと眠りに入っていた。 (さよなら羽田空港。行ってくるぜ) 夢の中でつぶやいていた。
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