10.砂糖みたいに甘く

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 絶対こうなること分かっててTシャツにしたじゃん!!  俺はちょっと拗ねながら、自分の鞄を漁った。  スマホを手に取り開くと、不在着信が。  そこには、“母”という文字。  うわー。いやな予感しかしない。  俺は静かに見てみぬふりをして、それを閉じた。  アプリでニュースを読んでいると、ドアが開く音がした。 「今日どこか行きますか?」 「え、どこかって?」 「んー、映画とか?」  どこか、か…。  玲王くんと一緒なら、どこでもいいや。 「どこでもいいよ」 「行きたくない?」 「玲王くんとなら、どこでも」  俺がそういうと、玲王くんは優しく微笑んだ。    
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