1.出会い

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 耳許で囁かれるいい声に少しどきどきしながら、ゆっくり包丁を動かす。 「そうそう、上手ですね」 「あ、ありがとうございます…」  俺は慎重に慎重に手を動かす。  苑田さんはオレのカバーをテキパキとやってくれて、とてもありがたかった。  やっと野菜を切り終わり、次は餃子の皮で身を包む作業。 「えっと、まず手に乗せた皮にこうして水をつけて……」  苑田さんの動きが早すぎて全然分からなかったけど、口で丁寧に説明してくれる。
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