風の強い日の思い出

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 周りを山ばかりに囲まれた、内陸部の盆地に住む僕らにとって、水平線というものは未知のものであり、当時塩分を含んだ水や風の存在を数回ほどしか確認していない10歳前後の僕らにとって、臨海学校という響きそのものが魔法のように強くこだましており、授業なんかうわの空で、早く臨海学校当日になってほしいという思いが日増しに強くなっていったのを覚えている。
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