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実家ついて、両親に挨拶を済ませる。
部屋に荷物をおいて、
茶の間で両親とお茶を飲んでいると、弟が返って来た。
これ幸いと、澪くんの相手を弟に任せた。
弟はよく子供に好かれた。
年齢は21の大学生だった。
変に気取ってない、
有り体に言えば少しダサい格好をしていた。
その様子は歩く人畜無害と言った感じだ。
さらに童顔で、それでいて終始笑顔でいるので
実年齢よりも5つは若く見える。
子供にとっては、ちょっとだけ年上の
近所のお兄さん感覚なんじゃなかろうか。
警戒心を解かせるには、悪くない見た目と雰囲気だ。
だが、弟本人に言わせば、
子供に好かれる理由は見た目ではないらしい。
曰く「精神年齢が子供と同じ」だから。だそうだ。
例に漏れず、澪くんも弟のことが好きなようだった。
さっきまで尖っていた澪くんの口元は緩み、
大好きな図鑑を持ってきて弟の横で広げて話始めた。
その好きを見て、私は部屋に引っ込んだ。
仕事も家事も子供も、なんの気兼ねも無しに寝れる、
数少ないタイミングを逃しはしない。
部屋のベッドにゴロンと横になり、目を瞑った。
ベッドに横たわる体が重い。
ああ、疲れていたのかと、遅まきに気がついた。
澪くんはもっと疲れていたのかな。
そんな考えが頭をよぎった気がしたが、
直ぐに眠りに落ちていった。
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