第1章

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追沢『(そう考えると僕の荷物って意外と頼りない)』 追沢『(携帯に財布、筆入れにスケッチブック、クロッキーの基本の参考書、漫画)』 追沢『(もし異世界に行くとしたら大半が役にたたない。せいぜい筆入れとスケッチブックくらいだ)』 追沢『(まあ仕方ないけどね。事前に分かってた訳じゃないし。異世界に行くパターンで荷物持っていけるのも意外と少ないと聞くし)』 追沢『(かといって、事前に分かってたなら何を持っていくかと言えば、食料くらいしか思い浮かばない)』 追沢『(食料持っていったって長続きしないのに)』 追沢『(そう考えると、意外と僕は能力がない)』 追沢『(……異世界物の主人公達もこう思ってたんだな)』 追沢『(自分の持つ荷物が、活かせる能力が意外に少ないと)』 追沢『(もし隠された能力に目覚めなかったら、その主人公達は事実上ただの無能)』 追沢『それできっとこれまでの自分を恨むんだろう』 追沢『(時間を湯水のように消費してきた自分を)』
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