それぞれの相手

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そんな時に声を掛けてくれたのが 私の上司、企画科の若手課長の笹沢修太郎さん。 「田仲!」 「はい。」 会議が終わった会議室で、 いつものように片付けをしていると 笹沢さんから声を掛けられた。 「何でしょうか?」 私が使用済みのカップを集めながら答えると 「あのさ、」 「……?」 なぜか、笹沢さんは歯切れが悪い。 さらに目を合わせないものだから 私も気まずくなった 「あのさ、彼氏いないって言ったよな?」 「はい……笹沢さん喧嘩うってます?」 「え?」 私は溜め息をつくと一気に答える 「彼氏いない歴歳の数ってこの間言いました私」 「うん。だからさ、俺と付き合って欲しいんだ。 結婚を前提に」 驚いて見上げると いつも以上に真剣な顔の笹沢さん。 (真っ赤だし……。え?私?なぜ?)
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