それぞれの相手

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そして そこから3ヶ月、笹沢さんと付き合いを重ねた。 しょっちゅう家に乱入してくる光に 心を乱される回数も減り始めた昨日 笹沢さんは両親に会いに来たのだ。 そしたら…… 「ただいま。」 私が笹沢さんを連れて家に帰ると 「初めまして、美空の保護者の加崎光と申します。」 満面の笑顔で迎えたのは光だった。 「なっ、、、なんで。」 「美空。」 私が絶句する横で 笹沢さんは目を細めて私の手を取ると 光に挨拶した。 「光さん。初めまして、笹沢修太郎と申します。 お噂は予々、美空から聞いています。 ホントにアイドルみたいだ。」 完璧な上司、出来るオトナの彼に文句など言えまい。 ふふん、だ。 「へー。そりゃどうも、あ、上がってください。 佐和子さーん!来たよー。」 ペロッと舌を出すような仕草をして 光はリビングに進み、母を呼びつけていた。 全く 「笹沢さん、ごめんなさい。光のヤツ……」 「あぁ。大丈夫だよ。ほら、案内してよ美空」 あー、オトナだわ笹沢さん。 私は気を取り直して、リビングに向かった
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