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光は一体どういうつもりなのか……
私には分からない。
ただ、私は笹沢さんに
とんでもないことをしたのではないかと思い始めていた。
「あぁ、美空。気にしないでいいよ。 」
「え?」
笹沢さんは帰り際、見送りに出た私に言う。
「美空が誰を好きなのかは、前から知ってるよ
だけど、それでも俺を選ぶ。でしょ?
それでいいんだ。俺は美空が好きだから」
アーモンド型の目が優しく笑う。
笹沢さんが好きなのは
本当の気持ちな筈なのに。
なぜ、私はこんなにも光が忘れられないのだろう
玄関の外で立ち尽くす私の目に
彩香ちゃんが映る
「あ、美空ちゃん。こんにちは」
彩香ちゃんの綺麗なブラウンの髪が
サラサラ風に靡く
「光に呼び出されてね。うふふ。
これから、式場を見に行くの」
相変わらずうっとりする笑顔で
左手の指環を私に見せる彩香ちゃん
「そう。良かったね。」
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