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(?!)
現れた人にびっくりしていると
光は私の肩に後ろから手を回し
顎を頬にすり付けるようにした。
さすがに恥ずかしくて
「や、やめて、光……」
と抵抗を試みても
「いやだね。離さない。美空は俺のだから」
光は私を離さない。
すると、目の前の人は深い溜め息をついた
「ハァーー。やっぱりダメか……」
「当たり前だろ?
美空は産まれた時から俺のもの。
お前にはやらない。」
項垂れる彼に私はいたたまれなくなり
思わず呟いた
「あ、の……笹沢さん……ごめんなさい」
笹沢さんは目を少し潤ませて私を見る
「あー。まー。謝んなよ。
かなりいい線までいけてたと
思ってたんだけどなあ。
あの……声聴いちゃうとなぁ……」
(え?は?)
「こ、こ、こ、」
「どうした、鶏か?美空」
光が不意に頬にキスを落とす
「ぎゃっ。やめてってばっ。」
力を込めて光を引き剥がすと
光をギッと睨み付ける
「なに?声って!」
「あー。ん?」
唇を結んで上目遣いみたいに私を見下げる光。
(気まずい時のクセよね)
「言いなさい」
「あぁ スマホの通話ボタン
押してままだ、か、ら……さ……」
えへへと笑う光。
「まさか、告白以外を聞かされるとは……
イヤしかも美空の声が……ヤバくて……」
恥ずかしそうな笹沢さん。
(ちょっと、ちょっと!!
気まずいなら切ってよね!
最後まで聞いてないでよ!!)
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