22人が本棚に入れています
本棚に追加
「あのさぁ、ちょっとは大人になれば?」
「…………。」
「聞いてる?美空(みく)。お前さ、絶対向いてないって。
自分でも分かってんでしょ?」
小憎らしい位整った顔をした男
加崎 光(かざき ひかり)は
私の部屋にきて早々、失礼な言葉を言い放つ。
「そ、そんなの分かんないじゃない。」
「いいや。分かる。お前ね、何年俺が
お前の隣にいるか知ってる?」
「24年……」
綺麗なグレーの目で
光は私を覗きこむ。
(怯まない、怯まない。)
「わ、わ、私だって成長してるもん。」
光はフンッと鼻を鳴らすように嘲笑うと
私の頭に右手をポンっと置く。
「……もん。って。それじゃあアイツは
満足できないよ?お子ちゃま過ぎてさ。」
最初のコメントを投稿しよう!