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一体なんなのよ……
一気に力が抜けた私
「って訳だから、笹沢。諦めて」
光は私を胸の中に引き寄せて言う。
「まぁ……二人の間には入り込めなそうだと
昨日から気付いてたよ。
……悪足掻きしにきちゃったしな。」
笹沢の優しい声がする
「え?」
「挑発されたとは言え、光君の家で待機して…
…光君が好きだとしても美空は
俺と結婚するって確証が欲しかったんだよな」
「笹沢さん……ごめんなさい。」
「謝んなよ?諦める。
実感したよ、こいつみたいに
美空を好きでいることは、出来ない。じゃあ……」
笹沢さんはそう言うと、家を出ていった。
「……光、どういうこと?笹沢さんに何を言ったの?」
「んー??」
光はさらに私を胸に押し付けると
息を吐いた。
なんだか、鼓動が早い気がする。
(もしかして、緊張してるの?)
「美空。覚えてないの?」
「え?」
「『みくは、25歳で結婚するの。
おうちはママたちの近くがいいの。
カッコいいお婿さんと、
丘の上の教会で結婚式するんだから。
光くん、頑張ってね』」
……光は淀みなく話す。
(ん?)
「俺の渾身のプロポーズに応えた
お前、6歳の言葉。」
「は?」
確かに言ったような気がする。
けど
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