第1章

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天然温泉は色々な浴槽に別れていた。 寝湯に浸かっていたら、本当に1分程寝ていたようだ。 疲れをほぐしサッパリしたぼく達は…。 フロントでタオルケットを借りて、リクライニングチェアで横になった。 『明日はドコへ行くんだろう…。 東京タワーかな浅草かな秋葉原…。 舞浜のあのランドとかにも行きたいなぁ…。』 東京の定番観光地を頭の中で思い描いていると、スグに眠りにつけた。 疲れていたのだろう。 ハッと気づいたら、既に朝。 起きる時間になっていた。 予約サービスの朝食を食べつつ、ぼくはお父さんに聞いてみた。 「お父さん今日はどこに行くの?。 ぼく東京タワーか秋葉原に行きたい!!。」 スカイツリーも悪くは無いのだが…。 田舎者の貧相な発想で、東京観光と言えばぼくの中では東京タワーだ。 お父さんはニヤニヤと勿体ぶった笑みを浮かべ答える。 「今日か?。 今日はな…。 楽しか事して遊ぶ日ばい…。」 そうして、朝風呂を楽しんだぼくとお父さんは2時間後…。 BIGFUN平和島のボートレース場にいた…。 ぼくはお腹の底から絶叫する。 Σ「「「またっっ!?!。」」」 そうなのである。 ぼくとお父さんは長崎の大村市から来た。 大村市と言えば、ボートレース発祥地。 うちのお父さんはたまにあるのだ。 休日ドコかに連れて行けとせがんだら…。 ボートレース場へと連れていかれる事が…。 父曰わく… たまにはお父さんにも楽しみを寄越せって言ってくる…。 けど、小学生のぼくをボートレース場に連れて来られても正直困る…。 長崎でボートレース場へ連れていかれ…。 東京でもボートレース場…。 よりによって、関東まで来てやる事は同じってどういう事なんだろ?。 旅費とか本当に大丈夫なんだろうか?。 絶望と共にぼくの顔は、鎌倉の大仏に匹敵する程の無表情な顔へと変貌していた。 「よ~し!いっちょドカンと当てて楽しむばい。 ナツキには小遣いばやるけん。 映画やらゲーセンん所で遊んどき~。」 そう言われてぼくは…。 4階にある映画館で、4DXというイスが動いて振動したり、雨が実際に降ったりもする、臨場体感型映画を見る事にしたんだ…。 面白かったっ!!。 映画の状況に合わせて、イスがガクンガクンと動いて、凄く臨場感があって面白かったっ!!。 本当に面白かったんだけど、心からは楽しめないよっ!!。 チックショウっ!!。
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