第1章

9/10
前へ
/10ページ
次へ
お父さんはネットのSNSで、共通の趣味がこうじて、ハルコさんと知り合いになった。 SNS内で、ぼくの誕生日プレゼントをハルコさんに相談したら…。 ハルコさんは、観音崎京急ホテルの株主優待の割引券を持っていて…。 その優待券を使って、東京旅行をプレゼントする事を提案。 それからも旅行の事で、頻繁にやりとりしているうちに、二人はスカイプで身の上を話すようになり…。 次第に親密になって、はれて正式にお付き合いする事になったそうだ。 「はぁ~ビックリした…。 ぼくはてっきり、自殺するんじゃないかって心配したよ。 じゃあ、何でお父さんは人生最後の舟券なんて言ってたの?。」 ぼくの質問に、二人はなぜか頬を赤く染めた。 どうにも言いづらそうだが…。 ハルコさんが口を開いた。 「アキヒコさん、そんな事言ったんだ…。 ボートレーサーには、家族やその身内が舟券を買う事は、倫理規定として禁止してるの…。」 「バレると協会から変な勘ぐりをされるらしいばい。 つまり…。 その…。 ハルコさんと正式に付き合うなら…。 キッパリ、競艇やギャンブルは止めんとイカンち覚悟ばいっ!!。 だけん今日、ハルコさんのレースを最後に見る為にも、ココに来たんばい。」 なるほど…。 つまりお父さんは、間接的にハルコさんに告白した事になるんだ…。 でも、明日のご飯代を払わせたら、ハルコさんから嫌われてしまうんじゃ無いか不安だったから…。 最後のボートレースで、必死に当てようとしてたんだ…。 「何だそれでか…。 もっと早くに紹介してくれれば良かったのに…。」 「それはな、お前に話してツイッターとかで呟かれたら…。 見る人が見たら、変な誤解を招くばい。」 「ボートレーサーは舟券を買う人と、事前に連絡を取り合っちゃいけない事になってるから…。」 ぼくの疑問は一気に解消した。 二人は共通して歴史好きがこうじて、SNSで知り合ったみたいだ。 特に坂本龍馬の事で話しがあったんだって…。 京急電鉄で言うと…。 坂本龍馬の通った土佐藩邸のあった立会川。 ペリーが来た浦賀。 坂本龍馬の妻の墓のある大津。 明日の日程は3人で京急電鉄を使って、それらの史跡を廻る予定だそうだ。 まあ、ぼくも歴史は好きな方だから。 そんな旅行も楽しめる。 明後日には、京急電鉄の東京1DAYチケットを使って、東京タワーへと連れて行ってくれるって…。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加