-六日目-

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-六日目-

『ジャックだ…』 隼人はアジトから目を離さない。 あのジャックがいたのだ。 トイレで自分を殴りつけ…真樹を連れ去った… あの男。 あいつはのうのうと生きている。 ほんとなら殺してやりたい。 -くそっ…- だがそれも出来そうもない。たぶん闘りあえば殺される。 向こうの方が人数が多い… 戦闘経験ゼロの隼人に勝ち目はない。 『おぃ…ジャックって??』 溝井は知らない。 トイレでの出来事を。 それもそのはず。 彼とは遭難して初めて面識を持ち合った仲だ。 『ジャックはな…真樹を連れ去った犯人だ』 事柄を端的にしか説明出来ない。どう話していいかすらわからないからだ。
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