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-知らない所で-
「くそぉっっ!!!」
監視モニターを見ていた男は机を叩いた。
ガシャンッ!!!
机の上に乗っていたものが音を立てて落ちた。
「アハハ。私なんかだいぶ前にダメでしたよ」
二人が見ているモニターが映していたのは遭難組が映ってる。
これで、机を叩いた男の損失額は…一般人にはとても払えない。
たぶん個人資産家だろう。
「まぁ…これはお遊びじゃないですか。プロジェクトのほうは進んでますか?」
一方の男は落ち着いている。初めから遊びと決め、そこまで掛けていなかったからだろう。
コーヒーを飲みながら、モニターチェックしている。
「プロジェクトの方は順調だよ。日本は内部テロで手一杯だ。当分は遭難に気づかないだろ」
どうやら彼は、テロの方を担当しているようだ。
だが、何故テロをしているかは知らない。言われるがままやっている。
二人がいるのはモニター室。
操作の裏をかいているのかなんなのかわからないが…
そのモニター室は東京都…なんと渋谷にあるのだ。
テロが起こっているのは目と鼻のさき。
まさかここに指令を出している人間がいるとは思わないだろう。
「そう言えばさ…俺たち何も知らないよなぁ…上はなんて??」
「なにも」
二人はモニターに向き直った。
「もしかしたらさ…」
さっき机を叩いた男がポツリと
「俺たちもこいつらと境遇的には同じなのかもしれないな」
「…………」
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