第1章

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 ……君の心臓を救いたい。  私は今でもそう思っているがそれは無理だろう。君の心臓を守りたいし、支えていきたいとも思っているがそれもできない。  あなたをわが子としてだけではなく、一人の人間として認めていきからだ。  時を経て、私にできることはこれしかないという結論に至った。  ……君の心臓を整えたい、と。 「行ってきまーす。おにぎりだけ貰うよ」 「早く行きなさい、遅刻するわよ」  悟に早く行けと手を振って威嚇する。 「んじゃ三ヵ月後に楽器、よろしく」 「はいはい、それまでちゃんと続いてたらね」  朝の課外を受ける悟を見送った後、私はもう一人の子供を起こすことにした。彼は普通の出勤時間なので、まだ寝かせておいてもいい。 「あら、もう起きたの?」 「悟の目覚ましで起きたよ」ふてくされたように旦那は頭を掻きながら食卓についた。 「あなたも一緒に起きてランニングでもしたら?体にいいわよ」 「何だよ、俺の腹を眺めても何も出ないぞ」  旦那と一緒に朝食を取りながらテレビを点ける。出会った頃はテレビを点けることを嫌がっていたのに、最近ではこれがなければ会話も始まらない。
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