第1章

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その日明日香は人生で最大の窮地に陥っていた。 数日前に面接を受かった職場でトラブルに巻き込まれたのだ。 今、小さなオフィスの応接用のソファに座って同僚と上司に取り囲まれている。 ――なんでこんなことになったんだろう。 明日香はうつむきながら考えていた。 ようやく見つけた仕事。心配してくれていた両親にもようやく安心させてあげることができたと思っていたのに。 ――まさか。私が犯人にされるなんて。 そう。まさに明日香は今会社の人間全員に泥棒の犯人あつかいされているのだった。
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