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『大丈夫です。ちょっと知り合いのIT業界のお偉いさんと警察のお偉いさんに話をしてもらっただけですから』
明日香はただ呆然とするしかない。
「では、話を聞かせてもらいましょうか」
四季がにこにこと三人に話しかける。石川は嫌々といった表情で四季に泥棒事件の概要を話した。
「それで、皆さんはそのUSBを盗んだのが明日香さんだと?」
「他に誰がいるんだよ」
野口が不満そうにいう。
「そうですねぇ。じゃあ、ちょっと一人一人話を聞いてみたいんですけどいいですか?」
「そんな面倒な事する必要がないだろ! 犯人はそいつに決まっているんだからよ!」
野口が叫ぶのをまた石川が抑える。
「いいでしょう。どうせ犯人は明日香さんに決まっているんですから。それを証明してもらいましょう」
「では、そこの部屋を貸してもらってもいいですか?」
オフィスの奥にある小さな部屋、ほとんど物置と化している部屋を指さして四季は言った。
「いいですよ」
四季は明日香に手話で一人一人に話を聞くことになったと説明する。明日香は小さく頷いた。
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