ブライダル・ウィング号

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本当は一応 観音崎京急ホテルを第一候補として考えていた。 おいしい料理のフルコースに、大きなケーキでファーストバイト。 シャンパンタワーなんていうのも、いいかもしれない。 豪華なホテルでの披露宴っていうのに やっぱり憧れはあったんだけどね。 「やったぁぁぁあ!」 優喜の嬉しそうな顔を見てたら それもまぁいっか、と思えてきた。 「お料理とかも用意してくれるのかな?一度、相談に行ってみる?」 私が聞くと、急に神妙な顔で優喜が言った。 「…それが実はコレ、抽選でさ。値段も格安だから人気あるらしいんだよね。」 「あ、そうなんだ?」 な~んだ。 むしろ私は電車けっこう好きな方だし 乗り気になってたのに。 抽選当たらなきゃ、乗れないんだ。 「…なんだけど!実はもう、抽選当たってるんだよね!」 「え!?」 いつの間に応募してたの!? 「勝手にごめん!でも、綾乃が嫌だったら断ろうとは思ってたんだ。 綾乃、ハデ婚派だろ?」 …さすがMy婚約者。 よく分かっていらっしゃる。 「でもさ、コレ見て!挙式は電車の中でやるんだけど、披露宴は観音崎京急ホテルでできるんだ!」 「そうなの!?」 急に 私のボルテージも上がった。 「ホラ、この詳細プランちゃんと読んでみて。」 品川駅で新郎新婦と出席者が全て乗り込み そこから馬堀海岸駅まで特別ルートで電車が走る。 その間に車内で人前式が行われ、出席者からのフラワーシャワー。 馬堀海岸駅についたところで、新郎新婦は車で、出席者はバスで観音崎京急ホテルに移動し、ホテルにて披露宴が行われる。 「…ホント、だぁ!!」 こっそり第一候補に考えていたホテルで 披露宴ができる! もう、やらない理由なんてどこにもなかった。 「優喜!ありがとう!最高の結婚式にしようね!!」
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