ブライダル・ウィング号

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「ね、優喜!ホントによかったね!ブライダル・ウィング号!」 挙式の後 母と歩いたバージンロードを 今度は 夫となる優喜に手を取られ 最後尾の車両まで歩いた。 先ほどまでとは打って変わって 親族や友人が ここぞとばかりに 花びらを投げつけてくれる にぎやかなフラワーシャワー。 「おめでとー!」 「よかったねー!」 「あやのー!おめでとう!!」 最後列まで歩き切った頃には ちょうど電車は馬堀海岸駅に到着し 予定通り車とバスでホテルに向かった。 披露宴会場の新郎新婦入場の直前 会場の扉の前でも 私はテンションを抑えきれずに 優喜に話しかけた。 「ホント、最高だったよ…。オレ、もう…」 感動屋の優喜は 電車内での挙式から ずっとこんな感じで 涙をこらえきれずに目頭をおさえている。 そんな優喜が 今日はより一層、たまらなく愛おしく思える。 「新郎新婦、入場です!」 幸せへの扉が勢いよく開き 大きな拍手に迎えられながら 私たちは手をとり 新しい未来への一歩を踏み出した。
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