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自分も家族を持ち、家を持ち、こんな風に散歩をすること、
そんな、普通の事が、遠い夢のようにも思える。
今、ないもの、
過去あったのかもしれないが、失ったもの。
普通の光景に浮かぶと、とても辛い。
「存在しないアパート、いなくなった子供……」
あり得ないが、もしかして、子供は最初からいなかった。
彼女達は、夢を見て、夢を共有することによって、
現実と区別がつかなくなっているのではないのか。
「……帰るか」
あり得ない。
もう一度、帰って考えてみよう。
空き地の写真を撮り、付近のアパートの景色も撮る。
通りの人、公園、近くのカフェ。新旧の混じった街。
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