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日曜日の朝、いつものように京急蒲田から各駅停車に乗り換え、立会川の駅を降りる。
向かう先は、土日に開催されている大井競馬場のフリーマーケットだった。衣類や雑貨が売る店の中にも、毎週骨董品を出している馴染みの店がある。
フリーマーケットに向かうまでのやや早足で10分足らずの道のり、何かあるかも知れないという心のざわつきが、休日の一番の楽しみなのだった。
「バッチくーん!」
普段呼ばれることのないあだ名で呼ばれるのが、日曜日の僕だ。
顔馴染みの店主に歩み寄ると、
「今日さ、バッチ店に忘れてきたんだわ。ごめんごめん、また来週ね」と言う。
僕のちょっと気落ちした顔を読んだのか、
「店にくる?すぐ近くの大森海岸にあるんですよ。仕入れの後になるけど。」
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