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「こっちだよ!」
彼が大きく手を振る
私は無視して車に乗り込む
そして、エンジンを駆けて車を発進させる
ずっとこんな毎日が続いていた…
彼は見知らぬストーカー
でも、この2、3日
なぜか急に見かけなくなった
ターゲットを変えたのだろうか?
私は会社の駐車場を出ると気晴らしにドライブへ出掛けた
堤防沿いを走ると、
《けた下制限2.4M》と書かれた橋桁があった
車の車高は160cm
私は気にせず一気に潜り抜ける
《ガキュッ!!》
「えっ!?」
天井を擦る音に驚き、
私は急ブレーキをかけた
その反動で車の天井から、大量の鮮血が流れ落ちてきた
「誰か…助けて……」
私はハンドルから手を離す時に、
ワイパーレバーに当たったみたい…
フロントガラスを洗い流した血の中から
引きちぎれた一本の右腕がワイパーに踊らされ…
いつまでも私に向かって、大きく手を振り続けていた
「こっちだよ…」
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