4人が本棚に入れています
本棚に追加
時は2050年平成の世、この年日本国は未曾有の大災害に見舞われた。国民の半分を失った日本は大災害以後の治安が悪化し、生き残った国民の多くが暴徒とかした。以後100年に渡り内紛を繰返してきたが、日本国首脳が国を放棄した。国家崩壊と同時に各県は独立政権を宣言し、以降年号を独人(どくと)とした。それぞれの国が治外法圏国家として誕生することとなったのだ。
独人10年、西国と東国の間に位置する福井国、岐阜国、愛知国は中立の立場を宣言しており、日本国再統一を目論む一部の連合国との衝突を避ける為、何人も立ち入る事が出来ない鎖国壁(さこくへき)なるものを国を取り囲むように造り上げた。西国の強国である大阪国は隣国である京都国と一時同盟し、東国の強国である東京国神奈川国率いる連合軍に長年に渡る戦争を繰り広げていたが、京都国の弱体化が目立ち東国連合軍に破れかけていた。しかし中立国の三国が鎖国壁を設けたことにより長年の戦いに終止符がうたれる形となった。
中立国である三国は我感せずを貫いているが、蓋を開けてみると独裁国家であり、国民は国営軍に苦しめられていた。独裁政権を滅ぼそうと各国でレジスタンスが立ち上がったのは独人24年の時だった。
福井国ではその後100年に渡り鎖国壁を守りながらも独裁を続け、レジスタンスのURARAとの死闘を繰り広げていた。
しかし、長い年月の鎖国により奇しくも他国を知る国民は誰一人いなくなっていた。
独人124年URARAに所属する設楽(したら)はある日、他国の工作員銀次(ぎんじ)の存在を知る。手負いによりURARAに捕まる形となった銀次だが、URARAリーダーの真田(さなだ)に基地の存在を福井軍に漏らしたとされ拷問を受けるが、嘘か誠か絶対に口を割らなかった。鎖国壁が出来てから初めて他国の人間にあったことで、誰もが不安を抱いていたが、設楽だけは皆と違い、銀次をどうしても悪人とは思えなかった。真田の目を盗み銀次に近付いた設楽に知らされたのは他国の悲惨な現状だった。それを聞かされた設楽がついに鎖国壁攻略を決意する。
最初のコメントを投稿しよう!