タイムリープ

4/4
前へ
/4ページ
次へ
それから 「それ」が起こるたびに そうか、未来の横浜駅はこんな感じなのか、と 妙に心が落ち着いている自分がいた。 何年たっても このまま この街並みが何も変わらないのなら 私はもしかしたら ずっと横浜駅を避け続けたかもしれない。 でも 未来の横浜駅は もう私の知っている横浜駅ではない。 彼との思い出に縛られた横浜駅ではない。 なんだ、そんなもんか、と。 心が軽くなった。 もしかしたら「それ」は 私が横浜駅を再び愛せるように 「誰か」が仕組んだ「何か」なのかもしれない。 だったらこんなチャンス 絶対逃しちゃいけない。 「横浜駅~横浜駅~」 (この駅で降りるのは ちょうど1年ぶり、かな。) 車内アナウンスとともに 重い腰を上げ 扉へ向かう。 (外の世界はどうなってる? 今の横浜駅? それとも 未来の横浜駅? 今か。 未来か。 分からないけど。 今の私なら きっと どちらでも---!) そして ホームへの一歩を 踏み出した。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加