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それから
「それ」が起こるたびに
そうか、未来の横浜駅はこんな感じなのか、と
妙に心が落ち着いている自分がいた。
何年たっても
このまま
この街並みが何も変わらないのなら
私はもしかしたら
ずっと横浜駅を避け続けたかもしれない。
でも
未来の横浜駅は
もう私の知っている横浜駅ではない。
彼との思い出に縛られた横浜駅ではない。
なんだ、そんなもんか、と。
心が軽くなった。
もしかしたら「それ」は
私が横浜駅を再び愛せるように
「誰か」が仕組んだ「何か」なのかもしれない。
だったらこんなチャンス
絶対逃しちゃいけない。
「横浜駅~横浜駅~」
(この駅で降りるのは
ちょうど1年ぶり、かな。)
車内アナウンスとともに
重い腰を上げ
扉へ向かう。
(外の世界はどうなってる?
今の横浜駅?
それとも
未来の横浜駅?
今か。
未来か。
分からないけど。
今の私なら
きっと
どちらでも---!)
そして
ホームへの一歩を
踏み出した。
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