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「プレオープンのイベントのことなんて、テレビとかのメディアで何も告知してないじゃない?そんなイベントがあるなら、何かで言っていそうなものだけど」
行くのをやめなさいとか言われそうで、私は慌てて、お母さんに言った。
「あるんだよ、本当に!だって陸斗にも招待メール来たって言ってるし、他にも、うちの高校の生徒でもらった子いるんだよ」
「ふーん……」
お母さんは、まだ少し引っ掛かっているような声を漏らす。
「9時頃には迎えに行くから、ちゃんとパークの入り口のところにいときなさいよ」
「うん」
そう私が言った時、アナザーワールドの建物が見えてきた。
そのまま車は、ワールド内の敷地へ入っていく。
お母さんが駐車場に車を停めると、私は一人車を降りた。
「何かあったら連絡しなさいよ。じゃあね」
「うん、ありがと」
元来た道を走り去っていく車を見送って、私はパークの正面ゲートへと向かう。
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