アナザーワールドへ

13/28
前へ
/333ページ
次へ
そして、その車から、陸斗と、陸斗と同じバスケ部の矢部 真、それから見慣れないもう一人の男子が降りてきた。 「じゃあ、また後で」 矢部君が、外から運転席に向かってそう言うと、白のワンボックスは、走り去っていく。 陸斗達三人の男子が、石段を上ってきて、私達のところに来た。 「美羽来てたんだ」 「うん。陸斗、誰かに送ってもらったの?」 「ああ、真の兄貴に送ってもらった」 「そうなんだ。あの……矢部君の隣って、誰?」 見慣れない男子を見ながら私が聞くと、陸斗が答える。 「ああ、コイツは、真の友達で一年の田部進也(たなべしんや)」 紹介された田部君は、私達に向かって軽く頭を下げた。その後、私の方をじっと見てくる。 「これが噂の笹原先輩ですね」 「……?」 何よ、噂のって。
/333ページ

最初のコメントを投稿しよう!

298人が本棚に入れています
本棚に追加