アナザーワールドへ

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それにしても意外だな。バイクなんて乗ってるんだ。 あと、ここに今来たってことは、きっと私達と同じでアナザーワールドのイベントに招待されたんだろうけど、そういうの当たっても参加しなさそうな感じなのに。 黒崎さんが石段を上り、私達の近くまで来ると、九条さんが彼を見ながら言った。 「黒崎。あなたもイベントに招待されてるの?」 「ああ」 クールな声で、黒崎さんが答える。 「……まったく、どうなっているのよ?集まるのは、榊原高校の生徒ばっかりじゃない」 九条さんがそう言った、その時だった。 「……!」 急に、門の向こうのパーク内が一斉に明るくなる。 見ると、パーク内の外灯や施設の電飾に明かりがついていた。 『♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪』 そして、不思議な曲調のオルゴール曲が流れ始める。 既存の曲なんだろうか? どこか懐かしく、切なく悲しげな旋律だった。
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