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あんな物騒な凶器を持っているのに、あの人から伝わってくるのは、深い悲しみや喪失感。
何でだろう……。改めて、この距離で執行人を見つめていると、上手く言えない感覚が、私の中で感じ取れるのだ。
「あの人……何か、私達に伝えようとしてるんじゃないかな」
「……?今さら、何を伝えたいんだよ!?」
陸人が苛立ちを含んで叫んだ時。
「このダウトゲームの『勝者』の皆さん。勝ち抜かれた暁に、今から、このゲームの真実をお伝えします」
執行人が静かに告げる。
「……真実、だと?」
矢部君の猜疑的な言葉に、執行人が小さく頷いた。
「はい。皆さんは知る権利がありますし、私も、私自身の口から伝えることが出来る今のうちに伝えたいのです」
意味深な言葉が、耳に響く。
「まず最初に、皆さんが一番知りたいこと。なぜ、このダウトゲームが行われたのか。この謎解きをしましょうか」
今までは恐怖に掻き消されていたけど、みんなが一番疑問だった理由。
それは、一体……?
すると、執行人は驚くべき真相を私達に伝えた。
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