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「1つ目の謎。このダウトゲームの目的。それは……早川瑞穂殺害の犯人を暴き出すため」
「……なっ!?」
「……えっ!?」
この場にいるみんなが息を飲む。
「……どういうこと?全然意味がわかんないんだけど……?」
九条さんが呆然としたように、呟いた。
「犯人が誰なのかは、現時点では、私と笹原さんだけが知っています」
「……お前、知ってんのか?」
驚いたように、陸人が聞いてくる。
「……う、うん」
黒崎さんの歪んだ顔が、脳裏に甦ってきた。
「途中で、いったん敗者としてゲームから抜けられた方々は、自分が離脱した後のゲームの進行を皆さん知りませんからね」
「……だよな。俺は自分が負けた後、そもそもこのゲームが続いてんのかどうかも分からなかったしな」
矢部君が言うと、他のみんなも、頷く。
「だよねぇ……。自分がゲームに参加してる時は、自分自身が参加してるゲームと、モニター越しに見れたゲームに関しては知ってるけど。負けって言われて、床から落とされた後は、モニターも何も見てないもん」
宮野さんの言葉に、私はハッとした。
そうだったのか……。
最終ゲームまで参加した私は、初めて知る事実だった。
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