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「このアトラクションは、元々、社長である父から、プロジェクトの一部を任されていたため、私がこの施設に立ち入って、ゲームの準備を進めることは造作もないことでした」
「……おい。ちょっと待ってくれ。このアトラクションのプロジェクトを任されていたってことは……」
矢部君の呟きに続き、田辺君が叫ぶように言った。
「やっぱり、お前、3チャンで噂されてた、このテーマパークを作った会社の社長の子供だろ?I Q がめちゃくちゃ高い!」
「……3チャンというものを私は見ませんし、IQ に関しては想像にお任せしますが、私のことを指しているとみて間違いないでしょう」
執行人が冷静に答える。
「最初は、このアトラクションのメインプロジェクトは、社内の他の人間が任されていました。しかし、彼が体調を崩し、プロジェクト続行が困難になりました。そこで、当時アメリカに留学していた私は、急遽日本に呼び戻され、彼に替わり、このアトラクションのプロジェクトリーダーに就任しました」
「……3チャンに書かれてた真相は、そういうことだったのかぁ」
納得がいったという風に、田辺君は何度も頷いた。
それにしても、高校生で、こんな大がかりなテーマパークのプロジェクトを任されるなんて、桁外れの天才だ……。
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