298人が本棚に入れています
本棚に追加
「参加者の貴方達が無事な理由。それは、簡単なことですよ。あの惨殺映像だけは、事前に既に録っていた映像だからです」
「……えっ?」
「事前にって……あの映像は、最初から用意されていたってこと?」
「そ、そんな……」
ざわつきの中、九条さんが凛とした声で異議を唱えた。
「待ちなさいよ。それは、おかしいんじゃない?自分が計画したのだから、集められた人間が誰なのかは分かっていても、各ゲームで、誰が負けるかなんて、やってみなければ分からないじゃない?事前に、その敗者の人間の惨殺映像を作っておくなんて、不可能でしょ?」
確かに、そうだよね。
けれど、執行人は口元に微かに笑みを浮かべながら言う。
「確かに、勝負の結果は、実際に行ってみなければ、私も分かりませんでした。でも、敗者の惨殺映像を予め作ることは可能なんですよ」
「えっと、意味が分かんない……どういうこと?」
九条さんの隣にいる宮野さんが不思議そうに首を傾げながら聞くと、執行人は、意外な言葉を口にした。
最初のコメントを投稿しよう!