298人が本棚に入れています
本棚に追加
「みなさんがモニターで見た映像は、本当にゲーム敗退者の映像でしたか?」
……え?一体どういうこと?
「みなさんが、各ゲームの敗者が殺されたと思っていた映像は、実はどれも、個人が特定出来る顔が全く映っていない物ばかりだったんです」
「……!!」
誰もが驚きに目を見開いた。
顔が、映ってなかった……?
「敗者が、執行人の私が仕掛ける罰に恐怖するところまでは、リアルタイムに流した映像。しかし、その後、流れた惨殺映像は……私が事前に用意してあった負傷した局部のみを撮った映像だったんですよ」
「まさか、そんなこと……!」
九条さんが驚きに青ざめながら、呟く。
「個人の顔がはっきり映ったリアルタイムの映像の後に続けて、局部的な負傷映像を流すことによって、みなさんの脳は、こう判断した。『この惨殺映像は、ゲーム敗者となった人間』の物だと」
何てことだろう。
私達は、みんな、この執行人が巧妙に仕組んだ嘘に踊らされていただけだったんだ……。
最初のコメントを投稿しよう!