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「……ふざけやがって」
陸人が拳をぎゅっと握りながら、呟く。
「貴方達には、本当に感謝しています。なぜなら、貴方達の凄まじい恐怖心が、この嘘だらけのゲームを『本物』にしてくれたのですから」
「……」
「……」
「……。結局、犯人は、誰だったんだよ?」
少しの間訪れた沈黙を破って、矢部君が静かに聞いた。
「瑞穂を殺した犯人ですね?では、4つ目の謎をお伝えしましょう」
ほとんど無機質な執行人の声に、わずかに熱がこもっている。
「早川瑞穂殺害の犯人。それは……黒崎秀一」
「!?」
「……なっ!!」
「黒、さきが……!?」
今までの謎解きの中で、この場の空気が一番凍りついた。
「最終ゲームで、黒崎自らが告白しました。瑞穂から別れを切り出されたことに逆上し、殺害したとね」
「あの馬鹿……なんてことを!」
行き場のない怒りを滲ませながら、九条さんが唇を噛む。最終ゲームで、彼と戦った私と、執行人しか知り得なかった事実を知って、その場にいたみんなが言葉を失った。
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