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「さて、これが最後の謎解きであり、このゲーム最後の嘘です」
扉を指していた刀を再び下に下ろすと、執行人は、空いた左手をローブにかける。
……私は。今までの謎解きの中で、この執行人が誰なのかを……。気づいてしまった。
この執行人は……。
「このダウトゲームの首謀者である私の正体は……」
今まで顔を覆っていた紫のローブが、ゆっくりと下ろされる。
「このアナザーワールドを作った、早川エンタープライズ社長の娘、早川瑞貴」
「……なっ!!」
「え……っ!?」
「何ですって……!?」
一斉に沸き上がる悲鳴に近い声。
やっぱり……そうだったんだね。
瑞貴……。
目の前にいるのは、血塗れのローブに身を包んだ、今まで見てきたのとは違う、凍てついた氷のような無表情の瑞貴。
無事なことを祈りながらも、この事実を信じたくなかったよ……。
私は、ふと体中から力が抜けていくのを感じた。
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