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「妹だからということを越えて、私は、瑞穂を愛してた。あの子の全てが、愛おしかった……」
そうだね……。
本当にいつも仲が良かったよね……。
誰も割り込めないほどの絆を二人から、感じていた。
「……でも、二人で作ろうとした夢を私自身が汚してしまった。私も、黒崎と同じ殺人鬼。この手にこびりついた血は……消えそうにない」
壁に当てた左の手のひらを見つめながら、瑞貴は、自嘲気味に呟いた。
「でも、ね。黒崎と私には、1つだけ違うことがある。それは……」
そこまで言うと、瑞貴は私達の方に向き直る。
「自分の罪から、逃げないこと」
そして、右手にしていた刀の刃を自らの首筋に当てた。
「……!!」
瑞貴、まさか最初から死ぬつもりだったんじゃ!?
「悪夢は、もうおしまい。みんなは夢から覚めてね」
瑞貴の声には、迷いがない……。
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