この手の温もりを

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池に沿うように、散策していると、私達の側をたくさんの小さな子供達が、走り抜けていった。 子供達が走っていった先には……小さな遊園地がある。 ミニトレインや、回るコーヒーカップ、そして、メリーゴーランド……。 遊園地……。 瑞貴の事件から、もうすぐ2年。 恐怖、疑い、驚き、忘れてた苦しみ、知らなかった想い、悲しい嘘……。 そして、突然理不尽に、この世を去った父、過去に助けられなかった小さな手、裏切り傷つけたお母さんの悲しい顔……。 いろんな物が渦巻いて、まるでそれ自体がメリーゴーランドのように、同じ場所でずっと旋回(ループ)している。 ふと目眩を覚えて、足元がゆらりと揺れた。 隣に歩いていた陸斗が気付き、そっと肩を抱いてくれる。 「大丈夫か、美羽」 私は子供達が走っていった遊園地の方を見つめたまま言った。
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