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ーー翌日。
「おーい、朝だよ。いつまで寝てんの?そろそろ起きないと」
ゆさゆさと身体を揺すられて、唸りながら俺は目を擦った。
夜中に変な夢を見たせいか、まだ眠くて目が開かない。
「うーん……起きる、起きるから……五分後に起きるから、姉ちゃん起こして」
俺の身体を揺する手を払って、布団を被って横になった。
「何言ってんだか。ほら、そんな事言ってないで起きなよ」
後五分って言ってるのに布団を引っ張るなよ!
俺はまだ眠いんだから、少しくらい眠らせてくれ!
必死に布団を掴んで、姉ちゃんに抵抗する。
「そうか、起きないわけね。だったら……キスしちゃうよ?」
その言葉で、一瞬で目が覚めた。
何をバカな事を言ってるんだと、布団を捲って姉ちゃんの方を見てみると……そこにいたのは姉ちゃんではなく小野。
既に制服に着替えて、呆れた顔で俺を見下ろしていたのだ。
「う、うわっ!小野!」
「おはよ。なかなか起きないんだね、あんた。お姉さんは苦労してるんだろうな」
そ、そうか。
小野が泊まってたんだった。
「えっと……キスは?」
「するか、バーカ」
なんてやり取りをして、俺は少しガッカリしながらベッドから起き上がった。
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