コンラン

4/60
前へ
/655ページ
次へ
ーー翌日。 「おーい、朝だよ。いつまで寝てんの?そろそろ起きないと」 ゆさゆさと身体を揺すられて、唸りながら俺は目を擦った。 夜中に変な夢を見たせいか、まだ眠くて目が開かない。 「うーん……起きる、起きるから……五分後に起きるから、姉ちゃん起こして」 俺の身体を揺する手を払って、布団を被って横になった。 「何言ってんだか。ほら、そんな事言ってないで起きなよ」 後五分って言ってるのに布団を引っ張るなよ! 俺はまだ眠いんだから、少しくらい眠らせてくれ! 必死に布団を掴んで、姉ちゃんに抵抗する。 「そうか、起きないわけね。だったら……キスしちゃうよ?」 その言葉で、一瞬で目が覚めた。 何をバカな事を言ってるんだと、布団を捲って姉ちゃんの方を見てみると……そこにいたのは姉ちゃんではなく小野。 既に制服に着替えて、呆れた顔で俺を見下ろしていたのだ。 「う、うわっ!小野!」 「おはよ。なかなか起きないんだね、あんた。お姉さんは苦労してるんだろうな」 そ、そうか。 小野が泊まってたんだった。 「えっと……キスは?」 「するか、バーカ」 なんてやり取りをして、俺は少しガッカリしながらベッドから起き上がった。
/655ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2819人が本棚に入れています
本棚に追加