2819人が本棚に入れています
本棚に追加
学校に行く準備をして、顔を洗って歯磨き。
朝飯を食うといういつもの動作の中に、いつもとは違う小野の姿があって。
なんだかおかしな気分だ。
「ふふん。今日はね、お弁当を二人分作ったんだよ。しっかり残さず食べなさいな」
出たよ……料理だけは得意な姉ちゃんの、イカれた弁当が。
昨日はキャラ弁だったからな、中身が変じゃないか確認しないと。
そう思って、弁当箱の蓋を開けようとしたけど……俺の手を払って、怒りの笑顔を向けた。
「中身は学校で見なさい。じゃないと、もう二度とお弁当作らないからね」
「わ、わかったよ!なんで怒るんだよ!」
変な中身だった時の俺の気持ちを考えろよ。
毎日蓋で隠して食ってるんだぞ!
「はい。ルーちゃんもお弁当。家に帰りたくなかったら、今日もうちに帰って来なよ。誰も文句なんて言わないからさ」
そう言って、姉ちゃんが小野に弁当を渡した。
そんな事を言われるとは思わなかったのか、ちょっと照れくさそうに頷いて、弁当をバッグの中に入れる。
「ありがとう雅さん」
「良いの良いの。お姉ちゃんって呼んでくれても良いんだよ?」
何言ってんだこいつは。
でもまあ……姉ちゃんのおかけで少しは気が楽になったかな。
俺達は、これから死ぬかもしれないんだから。
最初のコメントを投稿しよう!