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家を出て、小野と二人で学校へと向かう。
改めて、こいつがどうして俺と一緒にいるのかと考えてしまう。
家にいたくないってのはわかったし、夕方から一緒にいて、親から電話すら掛かって来なかった。
仲が悪いんだろうなとは思ったけど、だから俺の家にという理由にはならない。
まあ、こんな状況だから、断るわけにもいかなかったし。
……ちょっと可愛いとか思ったから、俺は良いんだけど。
「なあ、本当に学校あると思う?二人も殺されてるのにさ」
「わからないけど……行ってみるしかないだろ。家にいたって犯人の特定なんて出来ないし、ずっと篭ってるわけにもいかないしさ」
親と仲が悪いとしたら、小野は学校が唯一の逃げ場なんだろうな。
そこがなくなれば、家に帰りたくないから街をさまよう。
そうなれば、殺される危険がある。
今の状況は、小野にとっては最悪なんだろう。
いや、小野だけじゃなくて、俺達もそうなんだけどさ。
「休んでるやつらもきっといっぱいいるよね」
「そうだな。いつもなら陽子と千奈美と合流しそうなもんだけど……あいつらは休んだか」
駅に着いて、辺りを見回しても二人の姿は見えない。
どうか、被害に遭っていませんようにと祈る事しか、俺には出来なかった。
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